PROJECT
北海道テレビ放送

HTBアナウンサー森さやかさんに聞く、テレビ局で働くということ。

2026.03.06 UP

INTRODUCTION

「伝える仕事」とこれからの働き方
―メディア業界インタビュー

テレビ業界に興味を持つ学生2人が、アナウンサー・森さやかさんへの取材を通して「伝える仕事」と働き方の多様性に迫ります。事前準備から当日の現場レポート、キャリアや進路選択を深掘りする本編まで、学生目線でお届けするプロジェクトです。

取材メンバー
  • 工学部
    電子情報工学科 2年
    小林 大希
  • 1部 経営学部
    経営情報学科 2年
    新 恋菜

「伝える」を仕事にする。学生時代の経験とキャリアの描き方

みなさん、こんにちは。
北海学園大学 工学部 電子情報学科2年 小林 大希です。

私は幼少期から北海道が大好きで、これからの進路選択では何らかの形で北海道に貢献したいと考えています。またオープンキャンパスのパブリシティ撮影に参加したことをきっかけに、テレビ業界に関してさらに深い興味を抱きました。今回はHTBアナウンサーの森さやかさんに、なぜアナウンサーという道を選択したのか、そのきっかけからお話しを伺いました。

森さんの学生時代は、テレビ業界とは無縁の「教員志望」でした。 大学では教員免許を取得し、就職活動の最終局面まで学校の先生になることだけを考えていたそうです。 当時は就職氷河期。採用面接の練習を兼ねて初めて受けた民放キー局のアナウンサー試験が、その進路を大きく変える転換点となりました。

試験当日。周りがアナウンススクール出身者ばかりで、華やかなスーツを着こなす中、森さんは唯一「リクルートスーツにほぼノーメイク」で挑みました。そんな環境に戸惑いながらも「とにかく元気よく喋って帰ろう!」と面接を受けると、最終選考まで残る結果に。この経験がアナウンスに興味を持ったきかっけです。

森さんのエピソードは、最初から一つの職業に絞らなくても、目の前のことに全力で取り組むプロセスの中で、意外な適性や「もう一つの道」が見つかることを教えてくれます。

森さんの職業選択の根底には、「人を相手にする仕事がしたい」という強い軸がありました。 その原点は、大学時代に不登校の中学生を受け持った、家庭教師の経験です。学校に行けていない分、勉強にコンプレックスがある生徒に対して、まずは人として関心を持ってもらうために自分の話を徹底的に行い、心の距離を縮めることから始めました。「この人の話を聞こう」という関係性が、勉強にもつながっていくと考えたからです。さらにオリジナルの手書きドリルをつくるといった相手に寄り添う工夫も凝らしました。

自分の言葉を「聞いてくれるようになった」その瞬間と、その言葉が「伝わった」という手応え。その面白さから、もともと目指していた教員になりたいという気持ち、そして「人を相手に仕事をしていきたい」という思いが芽生えていったのです。

「人を相手にする仕事」からアナウンサーの道に進んだ森さん。千葉県出身の森さんにとって、北海道で働くことは、この土地ならではの価値を見出すことでもありました。 ニュースはどうしても全国共通の話題になりがちですが、森さんは北海道にいるからこそ発信できる「身近なグッドニュース」を伝えることを大切にしています。 地元の町内会や学校の素敵な取り組みなど、地域の温かさを紹介するために、あえて地下鉄移動で人々の生活感を感じ取れる場所を選んで住むなど、私生活から感度を磨いています。 拠点を置く場所への深い愛着と好奇心が、地域に貢献する仕事の質を高めています。

森さんの日常と仕事とのつながりは、趣味の領域にも。森さんは自他ともに認めるラーメン好きで、一人で道内各地の味を巡るほどです。おすすめのラーメンを聞かれた時には、その時の天気や気温、食べたい気分、移動できる範囲などをリサーチして提案されるそうです。その姿勢は、きっと視聴者のニーズを汲み取るアナウンサーの仕事に通じているのだと思います。 また、取材をきっかけに始めた手話や、自身の経験から関心を持ったダイバーシティ、ジェンダー課題への取り組みも、すべて仕事と連動しています。 趣味や生活の中の「好き」「もっと知りたい」という個人的な感情こそが、情報の受け取り手に寄り添うための最大の武器になります。

森さんの歩んできたこれまでの道のりを聞いて、学生時代のアルバイトや趣味、そして何より『誰かに何かを届けたい』という気持ちの延長線上に、プロとしてのキャリアがあるのだと実感しました。自分も将来「北海道に貢献する仕事がしたい」と考えています。今回の取材を経て、これからどのような選択肢と可能性があるのかイメージを広げていきたいです。

 

次の記事は、同じく取材に参加した新さんによるインタビュー記事です。新さんは、現在森さんがアナウンサーという枠を超えて取り組む「ジェンダーダイバーシティ」の取り組みについて深掘りします。