電子情報工学科
<電子情報工学科トピック>

人の複雑な動きを カメラで読み取る 技術に挑戦。

人間の目と脳のはたらきを、カメラとコンピュータで代替する「ロボットビジョン」。高氏秀則先生の研究室では、6人の学生が計測班、カメラ班、ロボット班に分かれ、この技術につながる研究開発に取り組んでいます。今回は計測班の佐々木さんと対馬さんに、それぞれの研究内容や難しさ、研究の先に広がる可能性について聞きました。

[高氏秀則研究室](写真左から)

工学部 電子情報工学科4年 対馬 光太朗
(市立札幌平岸高校出身)

工学部 電子情報工学科4年 佐々木 祐真
(北海道札幌丘珠高校出身)

時差や奥行きを含めて、
動きを検知する。

——卒業研究に高氏研究室を志望したのはなぜですか。

【佐々木】もともとロボットが好きで、自分でも動かしてみたいと思っていました。3年次の「プロジェクト実習B」で自律型移動ロボットをチームで製作し、ハードウェアとソフトウェア、両方の技術を活かしてロボットを動かす面白さを実感しました。そこで、授業を担当されていた高氏先生の研究室に入りたいと思いました。

【対馬】僕は、IT系の仕事をしている父から「近い将来、ロボットの時代が来るぞ」と言われたのがきっかけです。ロボットについて専門的に学べる研究室を探して、高氏先生の研究室を志望しました。ただ、6人全員がロボット班を希望していたので、僕と祐真君の2人は計測班に入ることにしました。

——どんな研究ですか。

【佐々木】RealSenseという距離画像センサーと、Nuitrackという骨格検出ソフトを使い、人の動きを検知する技術を研究しています。カメラで2人の人を映し、その動きがどれくらい一致しているかを推定するのがテーマです。僕と対馬君では少しやることが違っていて、僕は動きに時差がある場合の一致率を扱っています。例えばダンスのレッスンで、先生がお手本を見せ、そのあと生徒が同じ動きをしたときに、どの程度一致しているかを推定し、リアルタイムで画面に表示します。動きが完全にそろうシンクロアクションだけでなく、左右対称の動きであるシンメトリーアクションにも対応しています。

【対馬】僕は、カメラで撮った二次元の画像だけを使って、2人が同時に動いたときのシンクロ率を推定する研究に取り組んでいます。画像から人の関節の位置を奥行きも含めて推定することで、三次元空間での一致率を求めます。

——研究の楽しさ・難しさはどんなところですか。

【佐々木】思い描いた通りの結果が出たときは、大きなやりがいを感じます。ただ、そこにたどり着くまでには想定外の問題が次々に起こり、壁にぶつかってばかりです。

【対馬】僕も同じです。僕が扱っている三次元のテーマは、先輩も取り組んでいなかった分野なので、自分のやり方が本当に合っているのか、手探りで進めています。その分、自分で考えたことが結果に反映されたときは、すごくうれしいですね。

——佐々木さん・対馬さんの研究の延長線上には、どんな可能性がありますか。

【佐々木】高氏先生から聞いた話では、この研究は、10年ぐらい前に先輩がよさこいの動きをカメラで検知しようとしたところから始まったそうです。そこから毎年、少しずつ複雑な動きや難しい条件が加えられ、今の研究につながっています。将来的に精度が高まれば、体操やダンス競技の採点にも応用できるかもしれません。

【対馬】僕の研究に近いのは、映画やゲームで使われているモーションキャプチャーです。一般的なモーションキャプチャーは体にマーカーを付けますが、この技術はマーカーなしで関節位置を検知できるのが特徴です。精度が向上すれば、誰でも手軽にモーションキャプチャーを使えるようになり、ゲーム制作などの分野がもっと身近になる可能性があります。

答えがないから、考える力が身につく。

——卒業研究を通して、どんな力が身につきましたか。

【佐々木】物事を筋道立てて考える力や、問題が起きたときに、「どうすれば解決できるか」を考え抜く力が身についたと思います。例えば、骨格検知では動きが激しいと誤検知が起きやすいのですが、どうすればプログラムで補正できるかを何通りも考えました。その積み重ねが、考える力につながっていると感じています。

【対馬】僕は、一人で考え抜く経験ができたことが一番大きいです。授業では、みんなで同じ内容を学ぶことが多いのですが、卒業研究は一人ひとりテーマが違います。答えが用意されていない中で、自分で課題を見つけ、解決していく。その経験は、社会に出てからも確実に役立つと思います。

——高氏研究室は、どんな雰囲気ですか。

【佐々木】卒業研究に取り組む6人は、全員男子です。時間があるときには、みんなでゲームをしたりして、かなりにぎやかですね。

【対馬】ただ、研究に入ると空気が一変して、みんな黙々と作業します。オンとオフの切り替えがはっきりしている研究室だと思います。

【佐々木】行き詰まったときには、気軽に相談し合えるのもいいところだよね。

【対馬】自分たちだけでは答えが見えないときは、高氏先生に相談します。すぐに答えを教えるのではなく、ヒントを出してくれたり、方向性を修正してくれたりします。ここぞというタイミングで支えてもらえるのは心強いです。

——最後に、北海学園大学や電子情報工学科の「ここがおすすめ!」を教えてください。

【対馬】大学全体でいうと、人が多いことです。高校時代とは比べものにならないくらい、いろいろな人と出会えます。広い人間関係ができる一方で、卒業研究では研究室の仲間と深く関わることができる。広くも、深くもつながれるのが大学の魅力だと思います。

【佐々木】電子情報工学科の魅力は、ハードウェアとソフトウェアの両方を幅広く学べることです。入学した時点でやりたいことが決まっていなくても大丈夫。学んでいく中で、「これだ」と思える分野がきっと見つかると思います。